【完】Dimples 幼馴染のキミと僕

「やっぱり俺もおじちゃんに会いに行くよ」

「それは駄目よッ!」

今日の状況を見ていたら、実際会ってしまえば潤にどれだけ失礼な事を言うかは目に見えている。私がどれだけ親不孝な娘か言われるのは全然良いんだけど、潤の事をよく知りもしない父が暴言を吐くのは許せない。

その時は本当に親子の縁が切れてしまうかもしれない。

「おじちゃんが俺を気に食わないつー気持ちも分かんなくもないよ」

「そんな…お父さんは潤の事をよく知らないから…」

「いや25年間もお隣さんなんだから俺の事はよ~く知ってるだろ。
俺は昔からやんちゃだったし、素行はあんまり良くなかったしなぁ~。
それによく知っているからこそ気に食わないってのもあると思うよ」

「お父さんは頭が固すぎるわ」

「いや、それ娘も相当頭が固いタイプだから人の事を言えないと思うけど……」

確かに…私が頑固で融通が利かないのは父譲りかもしれないけど…本人を目の前にはっきりと言う事は無いじゃない。

「何となくおじちゃんの言った言葉が分かるよ。
親の会社も継ごうとせずに遊び歩いている道楽息子だとか
モデルなんてちゃらちゃらした仕事をしているだなんて言ってたんでしょう?
中々正しくて当たってはいると思うけど」

潤は昔からいつだってニコニコと笑っているタイプの子だった。そういう人だからどこにいても人気者で、周りの空気を悪くしない。

そんな潤を気に食わない人間も世の中には大勢いる。私だってそう思った時がある。いっつもヘラヘラして人に囲まれて能天気で悩みのひとつもないんでしょうって。

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