【完】Dimples 幼馴染のキミと僕

「潤ッ!潤ってば!」

ゆっくりと目を開けると、リビングのカーテンは全て開かれていて、少しだけ怒った顔をした菫が腰に両手を充てて立っている。

「あ、菫。おはよう…」

いつの間に寝落ちしてしまったのか。燦燦と降り注ぐ太陽の光りを見て、目を細める。
キッチンからは香ばしい匂いがする。

「こんな所で冷房をガンガンにきかせたら風邪をひいてしまうでしょうッ?!何でベッドで寝ないのよッ!」

まさか君へのウェディングドレスを作っていたとは言えまい。

「ん~…何か寝付けなくって…」

「最近おかしいわ…。病院に行った方がいいんじゃないかしら?
ハッ?!まさか私がベッドを占領してしまうから潤が眠れなくなってしまっているとか?!」

「いやいやそーいう訳じゃー……」

ある意味隣にいたらゆっくり眠れないのはあるけど。

「潤は優しいから物事をハッキリと言わないんだから…。
もしもひとりで眠りたいと言うのならばベッドは譲るわ。私はお布団だって全然平気なんだからね?
潤の体の方が心配よ」

…全く朝っぱらから可愛らしい事を言ってくれる。

目の前に立っている菫の体を、ソファーに座ったまんまぎゅーっとこちらへ引き寄せる。

そして顔を上げて笑うと、菫は少しだけ変な顔をした。



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