【完】Dimples 幼馴染のキミと僕
数日後雑誌の取材が入っていた。
某ファッション雑誌の取材だった。S.A.Kの跡取りでもありモデルまでこなす若きイケメン 佐久間潤特集やらうんたら。下世話なタイトルだ。S.A.Kの一人息子ではあっても、跡取り息子ではない。けれどその方が雑誌の売り上げ部数も上がるんだと。
社長令息という立場でありながらモデルをしているってのが良いらしい。知らんけど。
撮影スタッフは希望でいつものメンツになった。デカデカと巻頭ではなく数ページのただの特集ではあったが。
「ねー、潤くん。最近菫っちとどう?」
奈々さんがメイクをしながら訊いてくる。
思わずどきりとした。菫と付き合っているのは、俊哉にしか話していない。改めて報告するのもなんだと思うし…。
そういえば菫は撮影の時奈々さんと連絡先を交換したと言っていたか。
「どうって菫は元気そうだよ」
セックスをしたといって何が変わったか聞かれると不明なのだが…菫は毎日えらく機嫌は良さそうだった。
俺へとくっついてきて、甘える回数も多くなった。女とはそれ程変わる物なのかと。まるで憑き物が落ちたかのように自然な菫になった気がする。…まぁ今まで意地ばかり張って生きてきた女だ。
「菫っちとはよく連絡取り合ってるのー」
「それはそれは菫は友達が少ないから喜ぶと思うよ」
「潤くんの話が多いけどさー菫っちって本当に潤くん大好きだよね」
「そりゃー…俺が好きってより俺関係で知り合ったから俺の話しかないってだけじゃない?」
「ううん。菫っち潤くんの事べた褒めすんの。ありゃー惚れてないわけないって。
今度菫っちのお店一緒に行くんだーッ。スイーツ大好きだから楽しみ~。それに菫っちはいい子だしね」