【完】Dimples 幼馴染のキミと僕

「いやーマジで恋人同士みたいだよねーッ!お似合いお似合い!
それにしても菫ちゃんまたモデルやってくれないかなー……会社的に難しい?
だって篠崎リゾートの娘さんだもんなー…でも勿体ねぇって」

「菫に訊いて見ますよ。」

「お、潤頼むわ~ッ。それにモデルとの合コンも早くな?!
どーせなら菫ちゃんを紹介してくれちゃってもいいんだよぉ~ん。俺結構タイプだしー」

「あ、それは無理です。俺たち付き合ってるんで」

きっぱりと否定して、再びカタログに目を落とす。

菫はやっぱり綺麗だよなぁ~綺麗で可愛いって最高だよなぁ~…。

カタログに目を落としていると、吉澤さんがぎゅっと強く首を絞めてきた。思わずそれを思いっきり振り払う。

…息が止まるかと思った。

「ちょ 何するんすか?!俺死ぬかと思いましたよ?!」

振り払った吉澤さんは涙目になりながら「どうしてお前だけ~」と震えた声で恨めしそうにこちらを見つめ言った。

「潤はモテるくせにー!菫ちゃんまでだってー?!どんだけ女をはべらかせときゃー気が済むんだよー
俺にもひとりくらい分けろー!」

「人聞きの悪い事言わないで下さいよ。菫とは真剣に付き合ってるんです」

「おーい、俊哉。潤が菫ちゃんと付き合ってるってよー」

遠くでパソコンのディスクを弄る俊哉に向かって、吉澤さんが大声で叫びだす。
…おいおい、この部署は俺と俊哉だけじゃないんだぞ?

「知ってまーす」

俊哉は興味無さそうな声を出してパソコンディスクに向き合ったまんまだった。

吉澤さんはこちらを睨みつけ、わざとらしいくらい大きな舌打ちをする。

そして恨めしそに言う。


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