【完】Dimples 幼馴染のキミと僕
『大丈夫だよー。今日は少しだけかーちゃんの顔を見に行こうと思ってた('ω')ノ
もしも菫の帰る時間と合うなら迎えに行くよ』
母の顔を見に行くというのは口実ではあったが、他に目的があった。
それを考えるとため息が止まらないけれど、男としてけじめをつけないといけない事だってある。
最近はドレスを造ったりしていたので会社に残る事が多くなっていたが、定時に仕事を終えて実家へ向かう。
実家までの道のりで色々な事が頭を巡った。
…おじちゃんに何て言おう…。
まずは…付き合っているという事を話さないとな…。菫は俺の家にいるって事はもう分かっている。その経路をちゃんと。
…つーか経路も何もおじちゃんの言う通りに生きるのが嫌になったなんて言えない。
というかまず話を聞いてくれるのか?有無を言わせずに追い出されるか、それとも殴られるか。
殴られるだけならばまだ良い。その位の覚悟は出来ている。話を聞いても貰えないのは非常に厄介だ。
そんな事を考えながら実家まで急いだ。
実家に着いて車を駐車して明かりを確認すると、ふたつ並んだ家には淡いオレンジ色の明かりが灯っている。まずは実家の玄関に足を踏み入れる。
リビングの扉を開けると、いつも通りとーちゃんが新聞を開いたままソファーでうたた寝をしていて、かーちゃんはキッチンでお皿を洗っていた。
最近はよく片付けられていたが、仕事復帰したせいかリビングはごちゃごちゃしている。
俺に気が付いた母がキッチンの水を止めて、エプロンで手を拭きながらこちらへやってきた。自分が重い病気かもしれない。と検査入院する日まで不安そうな顔をしていたのに、すっかりと顔色は良くなっていて…相変わらず声もデカい。