【完】Dimples 幼馴染のキミと僕
「その一緒に暮らしているというのが理解が出来んのだ。
菫がおかしくなってしまったとしか思えない。潤くんが好きだ?一緒にいたい、だと?私には全く持って理解出来ない。
しまいにはどんなに説得しても家に帰らないと言い切って…」
「菫との将来はきちんと考えています」
おじちゃんは昔から温厚な人だった…とは思う。優しくて穏やかで…いつだって完璧な人で
そこまで考えた時、ふとそれが誰かに似ていると頭に過った。
ちゃんとしていなくては、篠崎リゾートの社長ではない。
しっかりしていなくては、篠崎リゾートの社長ではない。
きちんとしていなくては………。そうだ、この人はとても菫に似ている。自分がどうあらねばいけないといつだって考えて行動している。
菫に課していた呪いのような物を、この人は自分自身にも課していたのではないか。
「菫は私が最高の結婚相手を探して幸せになってもらう。それは勿論潤くんではない」
ぴしゃりと言い放った言葉に少しだけ悲しさを感じた。
「どうしておじちゃんはそうなんだよ!菫の幸せはおじちゃんが決めるものじゃないでしょ?菫は菫で自分の幸せを掴みとる権利がある」
「私がよく菫を知っている。菫の事なら全部私が1番理解しているのだ。
その私が選んだ道を菫は今まで何一つ不自由なく安全に歩いてきた。
あの子は世間知らずなのだ。それに潤くんに菫は任せられない!」