【完】Dimples 幼馴染のキミと僕

「ねぇ潤?あれって舞じゃない?」

「え?」

母の横で篠崎家の玄関前で一緒に立っているのは……確かにあの姿は舞だ。

金髪に近い長い髪に白いメッシュが所々入っている。着ているワンピースも真っ赤で目を惹く。
あの派手ないで立ちは車の中からでも分かる。舞だ。

オロオロしている母とは対称的に何故かけらけら笑って篠崎家の玄関先を覗いている。

車が来たのに気づきこちらへ振り返ると、俺たちに気づいたのか大きく手を挙げて笑顔を振りまく。

八重歯が特徴的な笑いをする、久しぶりに見る妹だったはずだ。…何故舞が日本に?今は海外に留学中であったはずでは?

「お兄ー!キャー!菫ちゃん久しぶりッ!」

車から降りると舞は一目散に菫へと抱き着く。

「舞、帰ってきていたの?!」

「うん。今日日本に一時帰国したの~ッ。
うひゃー菫ちゃん久々だけどべっぴんさんになっちゃって~、まぁ知ってるけどね~。S.A.Kのカタログでモデルやってるの見たのー!
めっちゃ綺麗だったじゃん」

「そ、そう?」

「うん。綺麗すぎてお兄と全然釣り合ってなかった。
男性モデルは変更すべきだったね」

兄の存在は無視したまま酷い事を言う妹。…お兄ちゃんそれはそれで悲しいぞ。

「そんな事ないわ、潤も王子様みたいだったでしょう?」

「お、王子様~?!あはは~菫ちゃんは相変わらず面白い事言うな~
あ、お兄元気?」





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