【完】Dimples 幼馴染のキミと僕
12.菫■ウェディングドレス■
12.菫■ウェディングドレス■
「何でこうなるのよ………」
現在佐久間家のリビング。
父が中心になって家族の集まり。
あんなに私と潤の交際を反対していた父が、上機嫌で取り寄せた資料を潤の両親に見せる。
「仕事での親交の深い西城グループの社長が手配してくれたんだ。
最高級のホテルで、素敵なウエディングが出来ると思うッ!無理を言って早急に準備に取り掛かって貰ったんだッ」
「はぁ…。でも義彦くん…それは余りに急では?」
「あらーいいと思うわぁ~。
おばーちゃ…文江さんと舞もちょうど長期休暇を貰って日本にいるんだもん。
こんな機会でもないと参加出来ないじゃない?」
「そうだよなぁ、綾さん。お色直しは3回するべきだと思うんだ。なんせ菫に似合いそうなドレスが沢山ある」
「素敵~ッ!鈴ちゃん見てよ~。このドレスなんて菫に似合いそうじゃない!」
「そうねぇ。どれも素敵。でも実物も見ないとねぇ」
「そうね、私達も一緒に見に行きましょうッ!」
おばちゃんとお母さんは手と手を取り合う。
だから何でこんな状況になったのか説明をしてもらいたいものなの。
おじさん以外何故かノリノリで、1番ノリノリだったのはこの話を準備した人間。つまりは父だ。
あんなに交際に反対していたというのに、何故か私と潤は1か月後に挙式を上げるという所まで話は進んでいた。
全く持って意味が分からない。あんなに頑なに交際を反対していた父が、突然結婚式を挙げろと…どこまで強引で自分勝手なのだ。
大体私は潤にプロポーズすらされていないし、まだ結婚をするとは決めていない。やっと両親に認めて堂々と付き合えると思い始めた所なのに、いきなり結婚なんて強引すぎるわ。