【完】Dimples 幼馴染のキミと僕

父がつけてくれたようにDouble toothやDimplesのように意味のある名前をブランドにつけたいと思う今日この頃。

ふたり手を繋ぎ歩く道で、思わず顔がニヤける。それを見て隣の菫は怪訝そうな顔をこちらへ向ける。

「何ニヤニヤしてるのよ…」

「いやー、俺たちの子供は可愛いんだろうなーって」

「は?!何言ってんのよ、突然」

パッと手を離して顔を真っ赤にして新鮮な反応を見せる、そんな所も可愛いとは思う。

菫似の子供ならば男でも女でも可愛いのは間違いない。

「そうねー、けれど…子供が生まれるのなら潤に似た子がいいわ」

「え?絶対菫の方がいいと思うんだけどー
俺って可愛い系の顔だから女の子だったらいいけど男の子だったらちょっと可哀想だろー
菫に似た方がキリっとした子になると思う」

「でも私はあなたに似た優しい子がいいと思う」

どこまでも自己評価の低い菫は、自分の良い所に未だに気づいていないようだ。

そういう控えめな所も菫の良い所ではあると思うけど。お前も十分優しい。不器用で分かりにくいかもしれないけれど、本当の優しさを持っているような奴ではないか。

身体をブルっと身を震わせてこちらを見つめる顔は青ざめている。


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