【完】Dimples 幼馴染のキミと僕
「私に似た女の子なんて産まれたら最悪よ…。世の中に自分の生き写しがいたらなんて考えるだけで寒気がするわ…。
潤に似た方がいい。素直で優しくて周りへの気遣いが出来る子になる」
どうして君はいつも俺をそこまで肯定してくれるのだろうか。
俺は不器用でも努力を惜しまない菫に似ている子供が欲しいと思うよ。
「何笑ってんのよ」
「いや、優しいなぁーと思って」
「はぁ?!」
「あ、あそこ!西城さんと美麗ちゃんがいる!
おーい!!」
実は今日は西城さんと美麗ちゃんと待ち合わせしている。
それもこれも結婚式の日に菫が西城さんに頼まれたんだけど、どうやら俺たちに会って欲しい人がいるとかなんとか…。
その会って欲しい人っていうのが、つまりは猫な訳なんだけど、猫を会って欲しい人がいるなんて言い回しをするなんて、やっぱり西城さんってちょっと変わっている人だと思う。
会うなり俺と美麗ちゃんの間に入って、眉間に皺を寄せて怖い顔をする。
「菫さん、佐久間さんこんにちは」
今日の美麗ちゃんもとっても可愛らしい。女の子らしいを絵に描いたような女の子で、そんな美麗ちゃんを菫はとても褒める。こんな女の子に生まれたかったって。そうしたら人生は変わっていた筈だって。
確かに美麗ちゃんは身にまとう物も持っている雰囲気もとても女の子らしくて可愛らしいけれど、菫にだって菫にしか持っていない良い所は沢山あるのにな…。
それに俺の’奥さん’だぜ?世界一可愛らしいに決まっている。けれどそんな菫の可愛らしい所は俺だけ理解していればいいと思う。他の人に見せるなんてもったいないと思うからね。