【完】Dimples 幼馴染のキミと僕
「潤くーん!久しぶりじゃーん!」
「おお、大地じゃん!帰ってきてたのか?!久しぶりッ!」
そういえば、大地と潤のテンションは幼い頃からよく似ていたわ。
ふたり揃うと小型犬のように煩くて敵わなかった。よく似ているふたりを見ては、潤の妹である舞とため息を吐いたものだわ。
「マジで久しぶり!今日は久々に実家に帰ってきてたんだけど、まさか潤くんに会えるなんてラッキー!
雑誌とかではよく見てるんだ!潤くんマジかっこいいし~。
それにボヌールの制服も潤くんがプロデュースしたんだろ?相変わらずセンスあるの!」
「アハハ、ありがとうッ!大地も仕事頑張ってるみたいだね。」
ふたりの会話がやけに耳障りだった。
小型犬同士キャンキャン吠えて気が合うのかもしれないけど、こちらからして見ると人の部屋で吠えられたら迷惑極まりないのよ。
大体犬は好きじゃない。犬か猫かで言えば断然猫派なのだ。
そういえば大輝さんは猫を飼っていると話してくれたっけ…。彼と猫と一緒に生活できたらどんなに楽しかった事だろう。今になって見れば叶わぬ夢だわ。
「潤も大地もうっさい!話があるのならば窓越しじゃなくてどっちかの家で話せばいいでしょう?!
私は仕事があるの!迷惑よッ!」
ぴしゃりと言い放つと、大地は「こっわぁ~…ヒステリー…」と悪態をつき、再び窓越し潤に話をかける。
…だからどちらかの家に行け!そして大地は潤にとんでもない事を言い出した。