【完】Dimples 幼馴染のキミと僕
確かに不器用な菫が同性代の女の子たちから勘違いされていたのを見てきた。
元々綺麗で目立つくせに、どこか上手に生きれない。世渡り下手な菫は、やっかまれる事が多かった。
可愛いだけじゃなくて勉強もスポーツもよく出来る才色兼備。けれど小さい頃から自分の感情を表に出すのが下手糞で、誤解される事が多かった。
そんな時は俺が間に入って仲裁したものだ。
けれど俺だって俺だ。
こうやって誰にでも良い顔をする癖は昔から抜けきらなくて、そういうハッキリしない態度が度々問題を起こした。誰にでも優しいのは時に誰かを傷つけるのだ。
「そーいや小学校の時お前が好きな1組の女と3組の女で喧嘩になってた事があったな。
お前ときたらどちらも好きじゃないくせにどちらにも良い顔して」
「そうそう教室まで来られて’どっちが好きかハッキリしてよ!’って女子たちに責められたっけ」
苦笑したくなる過去ではある。
どっちの事も全く好きではなかったから、ハッキリするも何もないんだけど。
それならばどちらも好きではないとハッキリ告げれば良かった。けれどそこでも曖昧な態度を取ってしまったから、一時期女子たちの間で無視されたり、身に覚えのない悪口を吹き込まれたりしたっけ…。
そんな事はどうでも良かったのだ。女の子同士っていうのはそういう面倒くさい部分がある。それはこの年齢になっても変わらずにある。
ドロドロとしていて、どこか陰湿で、特にそこに男が絡むと女の友情は儚いのである。