【完】Dimples 幼馴染のキミと僕
「男連中はお前の性格をよく分かってたから別にそんなのどーって事ないけど。
女子たちはすごかったな。このまま女たちに意地悪をされ続けてお前が女性不審になってしまうんでないかと思ったもんだわ」
「アハハ、まさかこの女の子大好きな俺が。
あの時も菫が’潤はそんな子じゃない!’って庇ってくれたんだよ。取っ組み合いの喧嘩を始めて
自分だって女子からあまり良く思われていなかったんだから、俺を庇ったら菫の方が苛められてしまうんじゃないかって不安になったもんだよ。
でも菫はさ正々堂々と言うか…間違った事が嫌いな子だったから、そんなの平気って言ってくれたんだ。
だから守っていたつもりがいつも守られてたんだと思う…」
こんな話、俺と菫を良く知る俊哉にしか出来ない。
うんうんと頷きながら、懐かしい話を俊哉は聞いてくれた。
「まぁだから俺はあの時からお前も菫もお互いに特別な存在つーのは理解出来てた。
てっきり中学くらいになればお前たちは自然に付き合うようになると思ってたけど、お前は中学に上がった途端3年の美人な先輩と付き合いだしたり」
「そりゃー俺だって男の子だし、思春期なんだもん。あんな綺麗な年上の先輩から告白されたら付き合っちゃうでしょーが!」
けれど、ふと思う時がある。
もしも菫も同じ中学に進んでいたのならば、もしかしたら俺はあの先輩とも付き合ってなかったかもしれない。