【完】Dimples 幼馴染のキミと僕

「それならば僕との結婚は悪い話ではないと思いますけど。
菫さんは仕事も出来るだろうし、モテる女性だと思います。
僕は結婚した後も仕事をして下さって構わないですし、恋愛だって自由だと思っています」

何を言いたいのだろう。

その言葉を口から吐いてもなおも、彼は笑顔を崩しはしない。

「あくまでも結婚はお互いの利害の一致だと思ってます。
だからその点ですと僕と結婚するのは悪くはないと思うと。
結婚した後も菫さんは自由に生きていって欲しいと思います。勿論外で子供を作られるのは困りますけど、それ以外ならば互いに自由でいたいと思ってます」

だから何を言っていると言うの?

「それは、お互いに干渉しない結婚生活を送るという事でしょうか?」

「えぇ、僕は結婚にはそれを望んでいます。
お互いの会社に利益をもたらして、後は自由に。
政略結婚ですしそこに愛って必要ないと思うんです。それさえ理解していれば互いに上手くやっていける事でしょう」

この人は………愛のない人だ。

私を妻という身として隣に置いて、篠崎リゾートの力を利用したい。けれど、他の女とも自由に遊びたい訳…か。

政略結婚に愛は必要ない。…それが私の望んでいた自由なのかしら?それって本当に自由っていうのかしら?

自由をはき違えているとしか思えないんだけど。

「とはいっても相性は合うにこした事はない。
菫さんが良かったら僕とお付き合いから始めて見ませんか?」

「えぇ…そう…ですね。」


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