【完】Dimples 幼馴染のキミと僕

鈴ちゃんと母が呼ぶのは菫の母だ。

おっとりしている専業主婦。いつだって父親の隣で並んで笑顔で微笑むおばちゃんは、昔からとても優しい。

あの人こそ旦那に一切反抗をしない良妻賢母のような人だ。驚く事にこの母とおばちゃんはとても仲が良い。本人たちいわく性格が正反対だから、合うのだという。

そう考えれば性格が正反対な父とおじちゃんも仲が良い。

「あたしはもう少し可愛げがあってもいいと思うけどね、菫は」

「いや菫は可愛いと思うけど…」

「もう少し人に甘えるくらいの可愛げがあってもいいってあたしは言ってんだよッ。
菫は昔からしっかりしすぎなんだよ!あれじゃー男が寄り付かんだろッ!」

…いや、あなたも結構。とは口にしないけど。

大口開けてがはがはと笑うかーちゃんはこれでも可愛げのある女性ではあると思う。

少し男らしくたって、病院で再検査の箇所が見つかれば人並みに落ち込むくらいは女性らしい所もあるのだから。

「鈴ちゃんが言ってたけどね!菫は見合いなんかするんだって。
菫くらい可愛い子ならお見合いなんかしなくても自分でいくらでも相手を見つけられるだろーよ。
大体昔から菫のとーちゃんは気に食わないんだよ。気取っちゃってさ。」

まぁ母の言葉には同感だ。かーちゃんのようになれとは言わん。

でもその持っている気の強さをおじちゃんに少しくらい向けても、バチは当たらないと思う。

「大体菫はまだ25だよッ?!結婚なんて早いだろう!」

「そうか?お前が私の嫁にきたのは22の時だろう」


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