私に恋する可能性



生徒玄関につくとなにやら騒がしい声が聞こえた


「あ、あいつら」


先帰れって言ったのに


的場達が俺を見つけて手を振る



「あれーゲームちゃんじゃん」


ゲームちゃん…?

は、間部ひなたのこと?


お前らなんつーあだ名つけてんだよマジで…


ゲーム…て、まぁ…うん

ゲームだけどさ…


「あ、多岐くん!ありがとうございました!」


…は?


ぼっとしてたら間部ひなたが隣から俺を見上げてそう言った


「私はここで!」



「え、ちょっ」


思わず手を伸ばしかける


「また明日」


ペコっと頭を下げて駆け足で遠ざかっていく背中


あー…そっかなんか普通に一緒に帰るつもりでいたわ…





「多岐ー?」





「え、ちょ、多岐!?なんかめっちゃ顔怖いんだけど!?」


「え、マジじゃん!多岐どうした!?ゲームちゃんか?」


…はぁ


「先帰ってろって言っただろ」


「えーいーじゃん別にまってたってさー」

「ゲームちゃんとは帰らねえって言ってたじゃん」


…は?

そんなこと言ったっけ


「言ってた言ってた!初めてゲームちゃんが俺らんとこ来た時だよ」



あー…なんか、記憶にあるようなないような…


「てかゲームちゃん足早ぇ」


ゲーム…ちゃんね

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