私に恋する可能性




「せんせーい!あ!なんか絵になってますよその姿」


下駄箱でさっさと靴を変え、駐車場に駆け足で向かうと

車にかっこよくもたれかかっていた犬飼先生を発見


「うるさいさっさと乗れ」


「はーい!」



うわー!犬飼先生の車だぁ!

黒い軽自動車

え、なんかめっちゃいい匂いする


「犬飼先生!いい匂いがします」


「うるせぇ黙って乗れ」


うおー!


「電車の時間大丈夫か?」


「はーい」


ブルっとエンジンをかける

んー!やっぱ女子にモテるだけあって美形の先生

片手で車を運転する姿はとても絵になる


あれ


「先生ってタバコ吸われるんですか?」


車のポケットみたいなところにタバコの箱が置いてあった


それにしても全く匂いとか感じないけど


「あーまあな。時々」


へー意外だ


「体に悪いですよぉ!」


「子供は黙ってろ」


きゃーい


誰かの車の中って新鮮だな

そもそも車自体新鮮…か



「…私両親いないんですよ」


「…は?」


「あ、いや唐突にすみません!ただ親の車とかないし、兄と2人で暮らしてるんですけど、兄も車は乗らないのでめちゃめちゃ新鮮で」


「…聞いても、いいか?」


それは


…両親がいないことかな


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