私に恋する可能性
自分がかなりやばいこと考えてるなって実感しながら
結局その日もまっすぐ帰らずだらだら歩き呆けた
駅に向かう頃には日は陰り、街の明かりは街灯のみ
ここ学校が近くにある割には暗いよな
今日は実行委員、長引いてないのかな
間部ひなたは…もう帰っただろうか
明るいうちに帰れたならいいけど
なんでこんなこと考えてんだ俺…
駅前に着いてから一度頭をブルっと振った
…?
駅の入り口
人通りが少ないこの駅
その前に誰かが立っている
…え、何
怖いんだけど
びくともしないじゃんあの人
恐る恐る近づく
近づいていけば
その人物が女であることが分かり
制服を着ていることが分かり
それが自分の高校と同じであることが分かり
そして
その人物が誰なのか、分かった
「間部さん?」
勢いよく振り向く
目を丸くして俺を凝視するのは間違いなく間部ひなた
俺を悩ませている張本人
でもその様子は
いつもとは違った