私に恋する可能性
ポアポアする
新しい擬音語出来たよ
恋愛小説定番の擬音語にしよう
ドキドキとポアポア
違和感ないでしょ
みんな使って
…
あーポアポアする
「ーっーべ!」
あー
「ーべ!間部ぇぇ!」
うお!
「おいお前大丈夫か?」
真上から犬飼先生の声が聞こえて上を向くと
先生は座っていた私の真後ろに立ち見下ろしていた
「犬飼先生」
「お前大丈夫か?さっきから手は動いてるけど顔がどっか行ってるぞ」
え、顔ってどっか行くの
あの後犬飼先生が私のことを探してると聞いて飛び出してきたけど
ずっとふわふわしてるみたいに心臓が鳴いている
多岐くんは何を考えてるんだろう
私はなんなんだろうって思うけど
…
今はそんなこと真面目に考えられないや
ただでさえ足りない頭の8割が多岐くんで埋まってるから
「また多岐となんかあった?」
私の異変を察知したのか犬飼先生がそう声をかけてくれた
…でもまあ
「…悪いことじゃないですよ」
ドフフ
ボソリと言ったけど、犬飼先生はちゃんと聞いてくれて
少し黙り込んだ後
「そうか」と小さく笑った
…
なんか怖いだけの先生とは
もうイメージが全然違う
「先生」
「あ?」
あ?てやめてよ
「ありがとうございます」
にへっと笑ってみせた
本当助けられてばかりだ
「…はいよ」