私に恋する可能性
ガラッ
うお!!
スマホを見て固まっていたら唐突のドアの開く音に飛び上がった
「ひなた?」
!
「みっちゃん!!」
「今終わり?お疲れ様」
みっちゃんまだ残ってたんだ
「どっか行くの?」
「へ?」
「なんか今にも駆け出しそうな格好してるから」
みっちゃんに言われて自分の体を見下ろす
鞄を片手で鷲掴み、みっちゃんが入ってきた方じゃない扉に手をかけていた
あ、めっちゃ行く気満々じゃん私
「…多岐くんのところ」
「そっか」
みっちゃんが柔らかく笑う
「ひなた変わったよね」
え?
「前から考えるよりも先に動いちゃうのは変わらないけど、なんか女子らしくなったね」
女子らしい?
「私前から女子だよ」
「そうじゃなくて、いい意味で。女の子になったよね」
「どーいうこと?」
「可愛くなったねってこと」
やだなにそれー
胸キュン
「女の子は恋すると変わるって言うから」
あ、聞いたことある
「多岐のこと本当に好きになったんだね」
?
「私は最初から」
「私は付き合い始めの頃のひなたより、今のひなたの方がいいと思うよー」
……
恋をすると変わる…か
「ふふ、じゃあみっちゃんが変わらないのは
ずっと吉澤くんに恋してるから?」
私と出会う前から
「なっ!ひなた!!」
ひぃ!
「じゃあねみっちゃん!」
逃げるように教室を出た