私に恋する可能性

それに的場くんが言ってくれた


私はもうゲーム相手じゃないって


私はかなり馬鹿なので真っ向にそれを受け取って、もうゲーム相手じゃないって思ってる


私は多岐くんの彼女なんだよ



「…ひなた」


多岐くんが少し下から私を見る


「…ごめん」


え？



「ゲームとか適当な気持ちで告ったりなんかして…面白半分でひなたのそばにいたこと…結構後悔してる」



まさかあの多岐くんから


こんな言葉が出てくるとは思わなかった


多岐くんが今までどんなことを経験してきて
あんな賭けをやり始めたのかは知らないし

誰か一人を好きになることができない理由なんてわからないけど


ただわかるのは多岐くんが変わったってこと


いい意味でね



だからきっと、今の多岐くんは


「今は…違いますか？」


「違うよ」



はっきりと、間をおかずに帰ってきた言葉



「だったら…許します」



多岐くんの目が見たことない色を持つ



『違うよ』


その言葉に隠された多岐くんの気持ちまではわからなかったけど


ただそう答えてくれたことが素直に嬉しかった