私に恋する可能性



「…じゃ、じゃあさひなた」





汗を拭いたタオルを折りたたみながらぎこちない声をかけたみっちゃん



「…2人で…頑張らない?」





ボソっと言った


2人?



「私も…あの…花火大会誘ってみるから…ひなたも誘うの」


!?


「みっちゃん花火大会誘うの!?」


「声がでかい!」



思わず出た大声にみっちゃんが焦った声で返した


「ひ、ひなたのためだからね?」



みっちゃん…ツンデレがすぎるよ泣



「ひなたも頑張って誘って、私も誘う。なんか一緒に頑張ってるって気がするでしょ?」



み、みっちゃぁぁん


良き友じゃ、これを良き友と呼ぶんだなっ



「ありがt」


「水菜」


!?


私の感謝の言葉を遮りやがったのはどこのどいつ…あ。


「な、なんであんたが」


みっちゃんがわかりやすく動揺する


他でもない話の中心人物その1である吉澤くん登場



「…誘うって誰を?」


ヒュッ


「は、はぁ?なんでそれ知ってんの?気持ち悪いんだけど」


みっちゃん…


「間部がさっき叫んでたじゃん」




よしざわぁぁぁ!!!

それをいうなあああ!!


「ひなたー?」


みっちゃんがギロリと私を睨む


「ご、ゴペンナサイ」


わざとじゃないお



「誘うって花火大会?」



ん?まてよ?


まさかと思うけどこの流れ



「お前誰か誘うの?」


「…か、関係ないでしょ」


それはダメだみっちゃん


みっちゃんそれはダメだ


「関係ある」


チラリと吉澤くんと目が合う


…あ、はい。


「みっちゃん先行ってるね!」




お邪魔虫は消えなければっ



『頑張れ』



口パクでみっちゃんにそう言って駆け足でその場をさる



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