私に恋する可能性
「多岐ー!」
あ
教室に近づくと高校に入って良く絡むようになった的場が駆け寄ってきた
何かと短気的で間部ひなたとは突っかかることが多いらしい
「なーなー今日帰りカラオケ行かね?」
えー
「なんか今日だるいからパス」
「だるい?体調悪いのか?」
「んー普通にだりぃ」
低気圧か?最近天気悪いし
「てかさーあの女のまだ続いてんの?」
間部ひなたのこと?
「もうすぐ1ヶ月じゃね?」
「え、そんな経つ?」
はや
「多岐にしては長いよな」
「そー?」
「だって前の彼女1週間だったじゃん」
そんなのいちいち覚えてねぇよ
「いくら多岐が自分から相手をフラないからって言っても嫌ならお前からフってもいいんじゃね?」
「は?」
「なんかお前は女子をフラないってのが定着してるけどそんなん不自由だろ?見てるとあの女めちゃしつこいし」
あー笑
確かにしつこいかもな
「俺あの女嫌いなんだよねーもう別れちまえよ」
まぁお前ら仲悪いもんな
「この前下駄箱で論破されてたもんなーお前」
「え?」
2人とも俺には気づいてなかったけど
「間部ひなたにゲームで告ったのバレた次の日。下駄箱でなんか言い争ってただろ?俺盗み聞きしてたから」
「はぁ!?なんで言わねぇんだよ!」
「面白いから」
ふざけんなよと怒る的場
「ったく…さっさと別れて次行こうぜー」
んー
「いや、やめとくよ」
「は?」
切り捨てるのは早いらしいからね
「なんだかんだ面白いよあの子。お前も仲良くなってみれば?」
「は?ちょ、多岐?」