私に恋する可能性
いつもより一段とめんどくさく感じる授業
理解しようともしてない教師の声が雑音程度に聞こえる
それにしてもだるい
低気圧がきつい
てか、頭いてぇ
俺の席は窓側の一番後ろから2番目
一つ後ろは…誰だっけこいつ
少しだけ首を動かして後ろの人物を視界の端に入れる
いつも俺を盾にして机に突っ伏しながら寝てやがるやつ
真っ黒な髪と女子並みに白い肌が特徴的な…
名前は…確か、茂木?そんなんだった気がする
…ま、どうでもいいか
低気圧にガンガンぶっ叩かれてるようなだるさを紛らわすように窓の外を見る
…ん?あれって
どっかのクラスの女子がこの湿気の多い日に体育をやっている
ソフトボールか
ぼぉっとその光景を見ているとふと目につく人物
…間部ひなたじゃね?
少し体を乗り出す
普段は肩にかかる髪を下ろしているが今は団子みたいにしてる
でも確かに間部ひなた
ヒョロヒョロのボールを投げてなぜかガッツポーズをしている
あいつ小柄なくせに行動でかいな
集合がかけられたのか駆け足でまとまりだす女子
他の女子は誰がどれだかわからないというのに何故か間部ひなたはどこにいても見つけられた
…まぁ、あんだけしつこくされりゃ目に残るのも仕方ないよな
そう思うことにした