私に恋する可能性



「はっ花火大会!一緒に行きたいです!」


なんかどっかで声が裏返った気がしたけど


もうなんでもいいや


言ったゾォォオ!!


任務完了だぁぁぁ!


緊張が溶けてフゥと息を吐く


私は頑張った



「えー花火大会?人しかいないじゃん」


屋台と花火があるわよボーイ

てかメインそっちよ


「夏の名物じゃないですか!ロマンティックですよ!」


チ、じゃなくてティ、を強調する


「名物ねぇめんどくさいなぁ」


あらまぁ

友達と行くのかと思ったら、まさかの行かないという選択肢かいな


「ですよね、言ってみただけなので大丈夫です!」


別に期待してなかったし

うん

…少しも


「え、何?なんか今日潔すぎない?気味悪いんだけど」


ええ!?心外!!


「ちょっと!ひどいですよ!流石に連絡先とかとは違うのであそこまで粘りませんよ!
多岐くんのことですから先約とかもあるかなって思ってたんで!」


間部ひなた!そこらへんの配慮はできる人間


「ふーん…」


「多岐くんのことなのでNOと言われるのは分かってましたからね!」


変に強がって見せる悪い癖


しかし


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