私に恋する可能性



そういえば


「多岐くんは浴衣着ないんですか?」


「はぁ?着るわけないじゃん、めんどくさいし」


えぇー


「絶対かっこいいのに」


「別に浴衣じゃなくてもカッコよくなろうと思えばなれるだろ」


なぁっ!

この男っ!やりよる!やりよるぞ!


でも確かに私服の多岐くんの破壊力はビックバン並

通りすがる女の子は当然、男の人まで振り返るほど


その隣にいる私は多岐くんのキラキラオーラに完全に埋もれている

これだからイケメンは!


まあでも


「そうですね。浴衣なんか着てきたらモテまくっちゃいますからそれはダメですね!今日は私が先約なので」


浴衣なんか着てたら…いろんな人に声かけられて大変なことになっちゃうもんね

今日の多岐くんは私の特別なんだから


「今日は彼女である私の多岐くんなので!」


口元に人差し指を立ててしぃーっとやりながら歯を見せて笑った

いつものみんなの多岐くんじゃないんだから

そう思ったら自然と笑みが溢れる


「っ…」


あれ?

多岐くんが私を見てフリーズしてる


「多岐くん?」

「…え、あっ、なに?」

「いえ、ぼうっとしてたので」

「あ、ああ…ごめん。なんでもない」





「っていうかまだ花火始まるまで時間あるけど何すんの?」




そんなの…


「遊びましょう!!」



花火大会といえば花火!


そして屋台!


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