私に恋する可能性



「多岐くん!射的があります!輪投げもありますよ!」


「落ち着けよ」


一年に一回のお祭り、大好きな多岐くんが隣にいる


それで私のテンションはもう爆上がり!


多岐くんを振り回して屋台を回る


「うわあ!なにあれすごい!めっちゃチーズ伸びてる!え、ガム?あれガムなんですか?」


「いやチーズだよ笑チーズドック、なんでガムなんだよ」


だって伸びすぎでしょ!


「多岐くん!あれはなんですか?」


「じゃがいも」


いもだと!?

あの得体の知れないくるくるしたやつが芋だというのか!?


「お祭り来たことないの?間部さん」

「いやありますよ!でも去年あんなのなかったですって!」

「あったよ」

「えぇ!?なかったですよ!!」


私の必死の反論にククッと笑い声を漏らす


そのくしゃっとした笑顔があんまりにも素敵で思わず見惚れてしまった


目が離せなくなる


引き込まれる



また…


恋に落ちていく


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