私に恋する可能性
「美味しいですね!この竜巻ポテト」
「トルネードポテトね」
2人でオシャンティなじゃがいもを頬張りながら歩く
どうしようすごい楽しい
めちゃめちゃ楽しい
すっごい、幸せ
隣を見上げれば多岐くんがいる
好きな人がいる
こんなに幸せでいいのかな
こんなに、好きになっていいのかな
…あ!
忘れてた!
久しぶりに会ったのにまだ言ってなかった
愛を伝えねば!
好きって言わなきゃ!
「多岐くん!」
「ん?」
「す
「あれ!多岐じゃん!」
!
え、あ
私の声を遮ったのは見たことのある顔並び
「お前ら」
的場くんならびに、いつも多岐くんと一緒にいる人たちだ
「あぁ!デートしてる!」
「うぇーい!さすが多岐!」
「え、てかめっちゃ可愛いね」
「…ん?え、こいつもしかして間部ひなた?」
的場くんが嫌そうな顔をして言った
いかにも間部ひなたですこと
「はぁ!?え、あの?」
「あ、本当だ!よく見たらそうだ!」
「えぇまじ?」
「すっげぇ!ゲーム相手とデートまでしちゃうとかさすがだな多岐」
…ゲーム
「よくやるよな本当」
「ゲームガチ勢だから」
「つーか1ヶ月以上経ってるよな!今回長ぇぞ!ワンチャン2ヶ月いくかも!」
……そ、か
「お前から誘ったんだろ?」
盛り上がってる他のメンバーをよそに的場くんが私に言った
チラリと多岐くんを見る
何を考えているかわからない表情
「もちろんですよ、私からお願いしました」
「ふーん…結構しぶといんだね」
的場くんがウザそうに私を見た
「…そうですね」