新 不倫
会議室から戻ると、
宣言通り捜査会議にも出席しないで梅田課長とお茶を飲んでいた豊川さんの元へと近づく。
「テッちゃん、ちょうど良い所に星野くんが帰ってきましたよ。」
相変わらずの猫背で右手に湯飲み・・左手には何やら小さい紙を凝視している豊川さん。
僕が来た事にも気付いていないので、
梅田課長がその肩を揺する。
「星野くん。」
「あ、はい。」
「今から聞き込みですか?」
「はい。今日は僕もセイズ東公園近辺に行ってきます。」
「その前に、テッちゃんと行ってきてほしい場所があります。」
「・・・・?」
梅田課長の言葉と同時に、湯飲みを置いた豊川さんが左手に持っていた紙を渡してきた。
「被害者の保険証の履歴から、
梅田課長が調べてくれました。」
「真島メンタルクリニック・・
【精神科】病院ですか?」
「平山クミコさんはここに通院していたようです。
・・梅田課長、ありがとうございました。」
「じゃあテッちゃん、星野くん。
後はよろしくお願いしますね。」