新 不倫
「状況証拠、物的証拠。
梅田課長はあと1つの決定打を私達に暴いてほしいようです。」
「あと1つ・・というと?」
「動機です。」
「あ、確かに・・。
すみません、大事な事を忘れてました。」
「星野君はご結婚歴ありましたっけ?」
「いや、バツもついていない独身アラサー男ですよ。」
「私はあります。」
「え!!?」
「冗談ですよ。」
「・・冗談言うなら、ちゃんと分かるようなテンションで言ってください。」
「“結婚”や“夫婦”というのは私達には分からない世界ですが、
“離婚”ではダメだったのでしょうか。」
「・・・・?」
「もし平山氏が犯人だとしたら、
“離婚”ではなく“殺害”を選択せざるを得なかった事情があった・・かもしれません。」
「なるほど・・。
梅田課長は、平山さんの“殺意の証明”が逮捕状請求に必要と考えた訳ですね・・。」
「いずれにしても、
この事件の真相を追うには、
クミコさんや平山氏の個々だけでなく、
“平山夫婦”について追求する必要がありますね。
真島メンタルクリニックの院長先生からどんな話が聞けるか分かりませんが、
きっと手掛かりの一つになると私は考えています。」
その後も豊川さんと話を進めながら、
到着した病院の前。
警察手帳を見せた後、
診察室へと案内された。
第3章 完