新 不倫
感動の再会を果たしたわたなべ親子が、最後にもう一度こちらに大きく手を振って、
これで一件落着・・・・
「「あ・・・。」」
隣で一緒にマリナちゃんへ手を振る、
全力疾走女性と目が合った。
「あ・・・捜索お疲れ様でした。」
「あ・・はい。肩車と大声のおかげで私も気付けて・・ありがとうございました。」
「あ~・・じゃあ俺はこれで・・。」
「あ、じゃあ私もこれで・・。」
全力女性ともお互いの健闘を讃え合ったところで、改めて買い物に戻・・・・
「・・・・・・・・・・?」
「・・・・・??」
「・・・あの・・何か?」
「え?・・いや・・。
私もこっちに用事があるので・・。」
「あ、失礼しました。」
どうやら全力女性も俺と同じ方向・・
「・・・・・・・・・?」
「・・・・・??」
「あの・・ひょっとして付いてきてます?」
「え!?いやいや私はただpumaでウォーキングシューズ買いたいだけで・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「え・・・?」
「あ・・実は俺も今からpuma行きます。」
「「・・・・・・・・・・・。」」
「プッ!」 「アハッ!」
「アハハ、どうしますか?
自己紹介しておきますか?」
「ですね!」
「平山です。独身のくせに・・
お分かりの通り、子供が好きな男です。」
「安部です。今日も独りで来てるけど、
お分かりの通り、子供が大好きな女です。」
お互いの靴を一緒に吟味して、アウトレット内のレストランで一緒に親子丼を食べて、
偶然にも同い年、
意外と住んでる所が近い、
なんて情報も発覚して・・
「え、じゃあ公開されたら一緒に観に行こうよ。」
「私、吹き替え派だけど大丈夫?」
「うん、全然問題無い。」
自画自賛するほど女性に奥手だったはずの自分が・・
安部さんが相手だとビックリするぐらい自然に打ち解けられて・・
気がつけば、QRコードを読み取って送られてきたアイコンを大事に登録していた。
第1話 完