新 不倫
2
平山コウスケ 夫婦
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ハンマーで頭を殴られたような衝撃が駆け巡った日々も、
クミコの葬儀が終わって、
少しずつ落ち着きを取り戻していく。
「ありがとね・・。
後は自分で出来るから。」
「・・はい・・・。」
8割ほど終わった荷造り。
短い間だったけど、平山夫婦が過ごしたこの部屋とも別れる決意を固めた。
段ボールにガムテープを貼り終わった後、手伝ってくれたその手に自分の手を重ねる。
「コウスケさん・・。」
「うん・・?」
「また・・落ち着いたら・・・。」
「・・うん。必ず迎えに行く。
だから一緒になろう。」
「・・・スッ・・スッ・・
私・・待ってます・・・。」
「ナオ・・一つだけ・・
聞いてもいいかな・・?
変な意味とかは全くなくて・・
ホントに素朴な疑問というか・・。」
「なんですか・・?」