新 不倫
“ガラガラ”
「・・先生。こんにちは。」
「・・zzz…・・あ・・はい。
もう部活の時間ですか・・。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「・・zzz…
「先生・・。」
「・・あ・・・はい。」
「お願いがあります・・。」
「あ~・・なんでしょうか?」
「先生が描いた絵・・
見てみたいです・・。」
「ど、どうしたんですか急に・・?」
“知りたい”という気持ちが満たされれば満たされるほど、
その奥にある気持ちが顔を覗かせた。
それは元木先輩が持っている“尊敬”とは違う・・持ってはいけない気持ち・・。
「簡単ですが・・ざっとこんな感じでご勘弁して頂けますか・・?」
「・・・・・・・。」
「タイトルは“この席からいつも見ている風景”という事で・・。
窓際で漫画を描く男子生徒と、廊下側で色鉛筆画を描く女子生徒ですね。」
「・・・・私・・・
こんなに美人じゃないです・・。」
それは、お父さん以来に向ける眼差し。
お父さんが消えて無くなって以来、
生まれる事の無かった心。
そして・・・
「あ~・・そろそろ眠りに入っても大丈夫ですか・・?」
「はい・・ありがとうございます・・。」
決して、生徒が教師に対して持ってはいけない気持ちだった。