新 不倫
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・スッ・・スッ・・・・。」
“交際0日婚”から始まった生活。
視線の先に映る姿を見るのは、
初めてだった。
イスに座る事も、
ソファにもたれる事もなく、
フローリングに座り込み、
両手で口を抑えながら・・
きっと俺に聞かれないようにと気遣いしながら、声を押し殺すように漏らされる嗚咽。
「・・・・・。」
「・・スッ・・スッ・・ウウゥ・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・スッ・・スッ・・。」
「・・・ごめん・・。俺・・クミコの気持ちも考えずに勝手に・・。」
「・・スッ・・謝らないで・・。
コウちゃんは何も悪くないから・・。
私が・・・わだじの・・がらだが・・
ぜんぶ・・わるいんだがら・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「簡単じゃないって・・分かってた・・。
どんな事を言われても受け止めるって・・覚悟してた・・。」
「・・・・・。」
「でも・・一生懸命向き合ってくれるほど・・一緒に頑張ってくれるほど・・
スッ・・優しく気遣ってくれるほど・・コウちゃんに申し訳なくて・・・ウゥゥ・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」