新 不倫
「まっ、楽しみにしとくよ。
あ、例のウチに配属される新人。
予定通り来月に全ての研修終えてこっち来るからよろしくな。」
「・・・あ!」
「ど、どうした・・?」
「もうこんな時間・・
じゃあ課長お疲れ様です。」
一人残っていたデスク。
気がつけば“閉店時間”に迫っていた。
今日、お昼を食べてる時に後輩から教えてもらった“ワークマン”の話。
作業着やヘルメット、工事現場の人達が着るような蛍光服などなど・・
文字通り、働く男が行く作業服店のイメージが強かったけど、
ワークマンで売られている“靴”が今、
大流行しているとの事だった。
本来はビルの建設員とかガテン系の作業員とかが履く物として開発された、
脱ぎ履きしやすくて、滑りにくい作業靴。
お手軽な値段も相まって口コミが口コミを呼んで・・周りに回って・・
今この靴を求めて、妊婦さんがワークマンに殺到しているらしい。
確かに、“脱ぎ履きしやすくて且つ絶対に転べない”という条件を背負っているのは、
現場の作業員だけではない。
そのまま“=”で、
妊婦さんにも同じ事が言える。
「・・って事で買ってきた。」
「急に足のサイズ聞いてきたと思ったら・・そういう事だったんだね。」
「どう?」
「うんピッタリ!ありがとねっ。」
「・・なんかこの格好、シンデレラと王子様のあのシーンっぽいよね。」
「はいはい、お湯冷めるからさっさとお風呂入ってきて。」
「はーい。」