新 不倫


「あ、そのスケッチブックに描いてるの?
岸本さんのも見せてよ。」


「え・・ちょっと恥ずかしいです・・。」


あんな凄い作品を見せられた後で余計に躊躇したけど・・・


「やっばい・・ねぇ先生。先生起きて。」


「・・zzz…・・あ、はい・・。」


「これ、岸本さんが描いたんですって。」


「・・・・あぁ~・・
とてもお上手ですね。」




「ちょっと田中君も見て見て。」


「・・・・・・・・。」


鞄から出したスケッチブックを人に見せるのは毎回恥ずかしくてイヤだけど、

元木先輩が褒めてくれた。

窓際からこっちに移動してきた田中君は無言のままだったけど、小さく頷いてくれた。



「岸本さんは絵がお好きなんですね。

技術どうこうの前に、この絵を見るとそれがすごく伝わってきますよ。」


でもその中でも・・

うたた寝から目を覚ました中西先生が向けてくれた穏やかな視線に・・すごく・・


“お!ナオ~!上手になったなぁ!”


お父さんに頭を撫でられたあの頃みたいな気持ちになって・・すごく嬉しかった。


















 




 




 



 







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