新 不倫


「ところで、今回は視えなかったそうですね。とても良い事です。」


「今回こそ視えなきゃいけないのに・・皆に申し訳ないです。」


「遺体は今、鑑識班にありますか?」


「はい。今ごろ長くんが解剖してると思います。」


「まずは腹ごしらえです。

埋め合わせと言ってはなんですが、奢りますのでどうぞ食べてください。」




カエデちゃんが持ってきてくれた焼き鮭定食を食べる間、

豊川さんは一口だけ食べたカツ丼を今日もタッパに入れてもらっていた。



『頑張れよ星野~!』

『ワハハ!俺達の身元だったらいくらでも教えてやるのになぁ!』


遠慮無くお会計を豊川さんに済ましてもらった後、

手を振って見送ってくれるカエデちゃんだけでなく、

漁師さん達にも会釈をして署に向かう。





















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