新 不倫
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“聞き込みしやすいように”と、
長くんから全捜査員へ、
極力刺激を少なくした、肩から上のみ撮影した遺体の写真を送ってくれた。
産婦人科がある現場付近の病院へ、
それを見せて回っていく。
「間違いありませんか?」
「・・・・・・・・・・・。」
“とりあえず一番大きい病院に行ってみましょう”
豊川さんの思いつきで訪れた、
“セイズ 総合医療センター”
産科の看護師さん達に写真を見せると・・皆さんの表情が凍り付いた。
・・・中にはその場で泣き崩れた人もいる。
不謹慎な言葉だけど、
どうやら“当たり”みたいだ。
「・・・お待たせしました。
産科の速水と申します。」
「セイズ署刑事課の星野です。」
「豊川です。」
「・・・・・・・・・・。」
速水先生にも改めて被害者の写真を見せる。
“遺体で見つかった”旨を伝えると、
看護師さん達同様のリアクション・・頭を抱えてしまった。
「間違いありません。
当医院を受診していた・・
私の患者です・・。」
「では、この女性について詳しく教えて頂けますか?」
「名前は【平山クミコ】さん・・。
当医院で不妊治療を受けて、
妊娠に成功しました・・。」
「「・・・・・・・・・。」」
「ただ・・こちらも・・
最善の手を尽くしましたが・・。」
「「・・・・・・・・・。」」
「切迫早産の末に・・胎児の【周産期死亡】を経験させてしまった女性です・・・。」
第1章 完