新 不倫
第3章
第3章
「「「・・・・・・。」」」
関本主任、長くんと一緒に隅に立つ。
「・・・・・・・・・・・。」
台の上で寝かされる被害者を確認する一人の男。
後ろ姿からは感情が読み取れない・・。
直立不動で真っ直ぐに、
その亡き姿を見下ろしていた。
「・・間違いありません。妻です。」
「お察しします。」
遺体からこちらへと振り返った、
被害者の夫、平山コウスケ。
関本主任が一歩前に出たので、僕と長くんはお辞儀だけして大人しくする。
「奥様を最後に見たのはいつですか?」
「・・・昨日の朝、
仕事に出掛ける時です。」
「仕事から帰ってきた時には家にいなかった・・という事でしょうか?」
「はい。」
「帰宅されたのは何時頃ですか?」
「昨日は22時には帰っていたと思います。」
「奥様がいなかった事に対して、
何も行動を起こさなかったんですか?
“捜索願い”が出ていなかった事が気になりまして。」
「出掛けていると思いましたので。」
「朝になっても戻らなかったのに?
我々が連絡するまで、
奥様の消息が分か・・・」
「ですから・・出掛けていると思いました。妻はよく一人で出掛ける事があったので。」
「何も持たずに出掛ける事が?」
「はい。」
「・・・・そうですか。」