僕と私のはじまりの夏 #明side
「晴君?」
そう呟いた私の声は
少し震えていたような気もする
「ん?どうかした?」
「...ううん、何でもない」
だって晴君の瞳が悲しそうに揺れたから
でも聞き返すことは出来なかった
次の瞬間には、まるで何事も
無かったような顔をしていたから
「明....本当はわかってるんだろう?」
「...何が?」
「自分が今 幸せだって」
「・・・・」
「確かに、お母さんがいてくれれば
それが1番幸せだったのかもしれない
でも、現実にあるのは
お母さんのいない世界なんだよ。
だったら"今"を楽しむしかなくない?」