僕と私のはじまりの夏 #明side
「晴君...」
「ありがとう、明
僕も会いたかったよ」
会うつもりはなかったのにな、そう言った晴君はぽつり、ぽつりと話し出した
「僕、おばあちゃんに会いに来たって
いうの嘘なんだ」
「えっ?」
「この島に 僕のおばあちゃんはいない」
「・・・・」
「この島に、1つ病院があるだろう?
僕は一週間、そこにいた」
"病院"そのワードを聞いたとき
ドクンと胸が鳴った
「僕、病気なんだ」
小さいときからね、と笑う晴君は
あのときと同じように寂しそう
「だから、友達がいなかった
ずっと病院暮らしだったからね」
「・・・・」
「病院で友達が出来ても、
みんなすぐにいなくなるんだ」
だから途中から友達を作らなくなった
と言う晴君