エリート御曹司と婚前同居。 〜人助けしたら、契約結婚させられそうです〜
「入るよ〜……麗央、言われた書類、一通り持って来た」
「あぁ、ありがとう武智」
急に入ってきた男性は、彼の秘書なのか……そもそも
、専務に秘書って付くのか?
「朝比奈さん、俺の秘書の武智(たけち)だ」
「武智です、よろしくお願いします」
やっぱり秘書さんなんだ。
武智さんは会釈をして、五十嵐さんの後ろに下がる。
「これにサインしてもらっていい?」
え……?
「婚姻、届……!? な、なんで」
「住み込みの仕事は肩書き、ただ君は俺の奥さんになって欲しいんだ」
五十嵐さんの、奥さん!?
「聞いてないです……そんなこと、それに仕事するなんてまだ返事してないですっ」
「……今、これに拒否したら困るのは朝比奈さんじゃない? 住む場所も仕事もないでしょ? 」
うぅ……それ言われちゃったら、反論出来ないじゃない。
「すぐ結婚しようだなんて言わない。お試し期間三ヶ月はどう?」
「お試し期間……ですか?」
「お互い、何も知らないでしょ? 俺のことゆっくり知っていけばいいよ、君がもし……無理だと合わないと思ったなら出ていってくれて構わない」