エリート御曹司と婚前同居。 〜人助けしたら、契約結婚させられそうです〜
「─︎─︎ごちそうさまでした」
「……お口に合いました? 味付けとか」
ずっと無言だったから心配で……無理に食べてるんじゃないかなぁ、と思って怖い。
「すごい美味しかったよ、サラダとか最近食べてなくて野菜がこんなに美味しいだなんて思わなかったよ」
「良かった……ありがとうございます、何かあれば言っていただけたら直します」
美味しくないものを出されても困るし、食事が楽しみだと思って貰わないと……。
「今は全然大丈夫だよ、すごく美味しかった……いい奥さんになりそうだ」
身体の体温が上がるのが分かる。絶対に、顔が赤い気がする。
「美唯? 顔赤いよ? まだまだ試用期間だからね……早く結婚してもいいって思ってもらわないと、急いじゃだめだな」
「け、結婚……!? それは、ほ、ほっ、本気なんですか? 」
「本気に決まってるよ……俺は君に俺のこと好きになってもらいたい」
え? 好きに、って……。
五十嵐さんは私のこと好きじゃないのに?
「五十嵐さんは、私のこと……好きなんですか?」
「それは」
思ったことを聞くとタイミング悪く、部屋にスマホのアラームが鳴った。
「……ごめんね、行かなきゃだ……質問の答えは帰ってからね?」
「えぇっ!?」
「キーは、これね! じゃあ、行ってきます」
……なんで、答えは帰ってからなの? 今でも変わらないよ。
「お預け貰ったみたいじゃない……」