エリート御曹司と婚前同居。 〜人助けしたら、契約結婚させられそうです〜
「ねぇ!! 武智、美唯に近いんだけど」
「……そんな独占欲丸出しだと嫌われますよ」
「それはっ……! 嫌だけど……」
相変わらず、仲がいい。相思相愛で……お互いを信頼しているんだなぁ。
「麗央さん、お弁当です……今日も頑張ってくださいね」
「いつもお弁当ありがとう、行ってくるね」
「はい、いってらしゃいませ」
麗央さんと武智さんを玄関まで見送る。
「では、専務……行きましょう」
「あぁ」
麗央さんは武智さんに連れられて、会社へと出勤して行った。
* * *
麗央さんがお仕事をしている時は、私は大体家にいる。
食材は、頼めば麗央さんが買ってきてくれるし本が欲しければ通販で買っている。
運動不足になりつつあるけど、まぁ……今はまだ大丈夫かも。
♫〜〜
ん……?
電話? あ、絵梨だ……出た方が良いよね。
だけど近況を聞かれたらどうしよう、契約妻になりそうって言う? いや、そんな正直に話すこと出来ない……なんか秘密にした方がいいし。
……無視するのは嫌だし、もう何とかなると思ってスマホの通話ボタンをスライドした。
「もしもし……」