エリート御曹司と婚前同居。 〜人助けしたら、契約結婚させられそうです〜
《麗央side》
……やってしまったかもしれない。焦らずゆっくり、って決めていたはずなのに。
「……それで、俺を呼んだわけ? 俺だってプライベートがあるんだけど」
「だから! 友達として、呼んだんじゃん……っ」
美唯が行ってしまってもうどうすれば分からなかった俺は、友人として……武智を呼んだ。
「なんで、休日までお前の世話をしなくちゃいけないんだよ……っ! それで何があったの? そんなにワインを開けて呑んで、酔ってさぁ……美唯ちゃんに嫌われるよ」
「もう、完全に嫌われた……絶対」
「はぁ……? 話が全く見えないんだけど、こうなった経緯を説明して」
武智は俺の向かい、いつも美唯の座ってる椅子に座ろうと椅子を引いた。
「……そこは美唯の席!! 武智は勝手に座らないでっ」
「なんなの、麗央……いい加減怒るけど、早く話せよ。美唯ちゃん大好き監禁野郎の話をプライベート返上してきてやったんだから」
美唯のことは大好きだよ、でも監禁なんてしてないし……。