エリート御曹司と婚前同居。 〜人助けしたら、契約結婚させられそうです〜



「美唯に好きだって言った、ちゃんと結婚してって……そしたら、嘘だってからかわないでって怒って出かけて行った……お小遣いも受け取ってくれなかった」


思い出せば思い出すほど、悲しくなってくる……どうすれば良いんだ。


「……怒っては無いと思うよ、きっとその情報誌が原因だよ」


情報誌……? 武智の指差す方にある情報誌はテーブルに置かれてる。それは、前に取材を受けた情報誌だ。だけどそれに原因だなんてある? 


「鈍感すぎでしょ? そこの最後なんて書いてある?」

「え……婚約者!? 俺に婚約者いないし……あ、これは合ってる、“好きな人はいる”ってとこ」

「それだよ、美唯ちゃんはお前に好意を持たれていること知らないんだって……美唯ちゃんにとってお前は婚約者がいて、好きな人がいる、しかもigarAshiの御曹司で次期社長だ」


「これだけ言えばわかるでしょ」とでも言うかのように武智は俺を見る。


「美唯ちゃんが麗央のことどう思ってるのか分からないけど、それを信じてるなら自分は邪魔だと思うよ? 善意で雇ってくれているって思われても仕方ないし、もしかしたら出て行こうなんて思ってるかも」


出て行く……? 美唯が? 
む、無理。そんなの、有り得ない……俺、死ぬ。


「だからね、麗央……ちゃんと話し合って、急ぐなよ。社長だって恋愛結婚でもいいと思ってるよ、きっと奥様だって」

「迎えに行く、美唯のこと……」




  《麗央side》終




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