エリート御曹司と婚前同居。 〜人助けしたら、契約結婚させられそうです〜
* * *
「美唯、元気ない?」
「え……そんなことないよ!! 大丈夫、心配しないで」
ここはベリーヒルズのレジデンスから電車に乗って30分くらいで着くショッピングモールのレストラン街にてカフェランチに来た。
せっかくの絵梨とランチなのに、なんでこんな気分が上がらないんだろう。
「美唯って可愛くなったよね」
「そうかな」
もし……そうなら、麗央さんのおかげだ。
麗央さんの隣でも恥ずかしくないようにと気をつけていたしメイクだって勉強して……。
「美唯ってさ恋、してる?」
「え!? ……いやいや!! ないよ、恋なんて……してないっ」
「怪しいなぁ。めっちゃ動揺してるじゃん」
……恋する相手じゃない。あの人に恋するなんて、そんな資格ない。
麗央さんにはもっと相応しい相手がいる─︎─︎……ってこれじゃ好きだって言っているようなものじゃないか。
でも、麗央さんには婚約者がいてその人が好きなんだから。
「……好きになっていい人じゃないから」
「そんなの関係なくない? だって……その気持ちは消えないでしょ? 」