エリート御曹司と婚前同居。 〜人助けしたら、契約結婚させられそうです〜


  * * *


「朝比奈美唯さんですか? 」

「え……?」


お買い物中に現れた真面目な感じの少しだけ麗央に似ている男性。
なんとなく見たことがある彼は……きっと、麗央さんのお父様でigarAshiの現社長さまだ。

彼に連れられとあるお店に入ることに。


「突然申し訳ない……だが、お願いしたいことがあり参りました」


お願いしたいことは、大体は予想ができる。彼と別れて欲しいってことだろう。

私は……igarAshiにとって相応しくないからだ。

麗央さんは、igarAshiの後継者で次期社長。きっと沢山の縁談が来ているはず……。


「麗央と別れていただきたい……麗央には安座間(あざま)財閥の社長令嬢とのお見合いがあるんだ、失礼ながら調べさせてもらった。君には相応しくない」


好きになっちゃ、いけない相手だってわかってたのに……こうなるって分かってたはずなのに。

私……っ


麗央さんのお父様は私の思ってることを言った。
だけど……そりゃそうだよ。私は職すらない、居候だ。








< 35 / 57 >

この作品をシェア

pagetop