エリート御曹司と婚前同居。 〜人助けしたら、契約結婚させられそうです〜
すると、彼は私の両手を掴み嬉しそうな顔をして……
「ほ、本当!? えっと……君の名前聞いてもいいかな?」
「あ、はい……朝比奈 美唯です」
普通に名乗っちゃって良かったかな……もし、変な人だったらどうしよう、というか人違いだったらどうしよう。
「俺は、こういう者です」と名刺を差し出された。
「頂戴いたします……」
【igarAshiロジスティックス 専務取締役】
【五十嵐 麗央 】
………。
………っ!?
igarAshiってすごい有名な会社……だ。どうしよう、すごい人を助けてしまったかも。
最近出来たベリーヒルズビレッジにあるオフィスビルに拠点を増やしたとかなんとかって……そんなことをニュースで言っていたような……。
しかも専務取締役って結構偉い人……だよ。
「ゆっくりお話できる場所に移動しませんか?」
「え、お仕事は……」
仕事あるよね……?
それに、こんなすごい人とお話だなんて大丈夫なのかな……恐れ多いし、今は無職だし。