エリート御曹司と婚前同居。 〜人助けしたら、契約結婚させられそうです〜
私がテレビの前で固まっていると、インターホンが鳴った。
「……捕獲に参りました、お姫様」
何も確認せずに玄関の扉を開けた。
現れたのは、麗央さんの秘書である武智さんだった。
「え? ど、どうして……」
「美唯さん、会見見られていたならわかるでしょう? 美唯さんには麗央の元に戻っていただきます」
でも、そんな……
「美唯ちゃんが突然消えた理由ならもう知っています、しかし麗央は独立した……もう、igarAshiの人間ではない。君とアイツの恋路を邪魔する奴はいないんだよ」
「私、は……っ」
「はっきり言うと、俺は君が突然消えたことを怒ってる。あの後、麗央は手がつけられなかった……だけどもう一度君を手に入れるために会社を作ったんだ、麗央はね」
私を手に入れる、ため……?
「それに美唯ちゃんが戻らないと俺殺される……だから、一緒に帰って下さい」
「私……帰れないっ……だって、私はっ」
「……え、まさか麗央のこと嫌いになった? まぁ、独占欲丸出し野郎だし、仕方ないかぁ……もしかして、好きな人出来ちゃった? 美唯ちゃんかわいいし分からなくもないなぁ」